腎臓病についてのお話
慢性腎臓病(CKD)第4回
CKDのリスクについてのお話です。
第1回では、腎臓は2つありますが、残念ながら片方だけ悪くなるのではなく、両腎臓一緒に悪くなります。
腎臓には濾過器糸球体という物があり、体のいらなくなった水分、物質(老廃物)等を捨てて、尿細管で必要な物質を再吸収する大事な腎臓をお話ししました。
第2回では、腎臓の役割には老廃物の除去、アシドーシスの改善、体液の調整、電解質の調整、血圧の調整、再吸収(必要水分・物質など)、尿の生成、ホルモンの分泌など色々とありますが、そのすべてを腎臓がしていますとお話しさせていただきました。
前回、腎臓病は検尿・血液検査(クレアチニン・尿素窒素)でわかる、もっと詳しく検査するならe-GFRの分類についてお話ししました、
また、症状も病状が進まないとなかなか発見できないこともお話ししました。
後悔しないために、健康診断などで蛋白尿が出たら、必ず医師の診断を受けましょう。
慢性腎臓病が進むにつれて・・・・・!
脳卒中(脳出血、脳梗塞)・心血管疾患(心不全、心筋梗塞)
・閉塞性動脈硬化症・感染症になる可能性が高いです。
又、ステージが上がるほど合併症の割合は高くなります。
脳出血:脳の血管が瘤、硬化、血圧などによって血管の一部が裂けて
出血する。
脳梗塞:脳の血管が血栓、硬化、脱水、不整脈などにより脳の血管が
詰まる。
出血部位、梗塞部位によって異なりますが、呂律障害、体半身に麻痺が起こる事が多く、症状によっては命が失われることもあります。
心筋梗塞:心臓の栄養血管(冠状動脈)の一部が詰まって起
こる病気です。
心不全:心臓機能が失われることです。
* 上記は生命に大変危険な病気です。
糖尿病性腎症の患者様では・網膜症・末梢神経障害・閉塞性動脈硬化症など合併症を併発することが多いので注意が必要です。
網膜症は両目で景色など見ると正常に見えるのですが、片方の目で見ると一部の視野が欠けて見えることがあります。早期でしたら進行を遅らせることは出来ますが、完治することは難しいと言われています。
失明の危険もありますので眼科への定期的な受診をお勧め致します。
閉塞性動脈硬化症は、血液の流れが悪くなり末梢まで十分な血液(栄養酸素)が廻らないこと、そして悪いことに末梢神経症状が現れることが多く、痛みなどに鈍感になり、何らかの状態で足に傷をつけても治りにくく、そこから壊死になることもあり、最悪切断することも多々ありますので十分注意して下さい。
近年では、そのような患者様のために足専門の医師、看護師が治療する病院も多くなって来ていますが、そこまでならないためには、
患者様自身が常に足を綺麗にして、良く動かし注意すれば多くは防げるのではないかと思っております。
腎性貧血について
腎臓から分泌されているエリスロポエチン(造血ホルモン)の生成が不足するので貧血になりますが、現在はエリスロポエチンが27年ほど前から発売されておりますので、貧血で悩んでいる方は少なくなりました。
高カリウム血症
以前もお話ししましたが、健康人では大切な役割をするカリウムですが・・・!
慢性腎不全(CKD)が進行し、腎機能が失われると心臓に負担をかけます。
次回、第5回で食事についての中で、お話しする予定ですが、カリウム値が高くなると心臓に悪影響を及ぼすことがあります。不整脈などで心停止になることもありますので注意が必要です。
細かくお話しするとまだありますが・・(^_-)-☆
次回最終回、食事についてのお話しです。
宜しくお願い致します。
看護師:小池 洋明