いりたに内科クリニック

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狭心症

狭心症

心臓の筋肉へ血液を送る冠動脈の内腔が、動脈硬化によって狭くなったり、血管攣縮(れんしゅく)によって狭くなったりすると、心筋へ血液が十分に流れず、心筋細胞が酸素不足に陥り(心筋虚血)、胸痛や圧迫感が生じる病気です。一過性の心筋虚血をおこす疾患を狭心症といいます。
心筋虚血によっておこる症状や検査異常、心臓の機能障害は一時的で、あとに障害を残しません。冠動脈の狭窄がより重くなったり、閉塞したり、心筋の酸素不足が強まり、心筋細胞が壊死して回復できなくなると心筋梗塞と呼びます。心筋梗塞にならないうちに、狭心症を治療することが大切です。

症状

典型的な症状として、「胸が痛い」「胸が圧迫される」「胸が締め付けられる」などの胸痛です。胸痛の範囲は、手のひらで抑えられるくらいの大きさです。そのほか「胃が痛い」「吐き気がする」「気分が悪い」など、消化器系の病気を疑うような症状もあれば、「歯が痛い」と訴えて歯科の受診を繰り返す場合もあります。「のどの圧迫感」や「左肩の重圧感」も典型的な症状です。

原因

発生メカニズムとして大きく2つ考えられます。
① 冠動脈の動脈硬化が進み、冠動脈内腔が局所的に狭くなり、血液の流れが悪くなる場合(動脈硬化性狭心症)。
② 冠動脈が部分的に「けいれん」し、冠動脈内腔が急に狭くなり、血流が障害される場合(冠攣縮性狭心症)。

診断

狭心症の診断は、問診が最も大切で、問診で7割が診断できるといっても過言ではありません。その他、狭心症発作のないときには、心電図は正常所見を示しますが、発作時の心電図所見を観察することが重要です。
心エコー検査、心臓核医学検査(心筋シンチグラフィー)、冠動脈マルチスライスCT検査、心臓MRI検査、冠動脈造影検査など追加で行う場合もあります。

治療

治療の目的は、生命予後の改善と生活の質の改善です。内科治療(薬物治療)だけでなく冠動脈バイパス術やカテーテルによる冠動脈形成術など冠動脈血行再建術を必要とする場合もあります。